オンデマンド印刷一筋40年 プリコは新たなステージへ


オンデマンド印刷のパイオニア

プリコが設立された1976年当時は、日本でワープロが出回り始めたころ。「プリコ」という社名の由来はPrint&Computerから来ている。代表取締役社長の岩本俊治氏は、版を使用して大量にプリントする、オフセット印刷がほとんどであった時代に、印刷データをそのままプリントする、オンデマンド印刷に特化した会社を立ち上げた。まさに日本におけるオンデマンド印刷のパイオニア的存在だ。

同社の事業内容について、岩本氏は「インク印刷にできないことをやっている」と語る。小ロットをスピーディーにプリントできるオンデマンド印刷では、必要な資料を必要なだけ用意することが可能だ。Web入稿なら24時間受け付けており、できあがった製品は全国どこへでも配送する。同社は、今まで企業の管理部門などが行っていた数百、数千部単位の会議資料やセミナー資料、提案書などのプリント、製本を受託することで、取引先企業の業務効率化に一役買っている。

 

 

ワン・トゥ・ワンマーケティングの時代にシフトしている現代、ターゲットに合わせて記載する文字や画像が異なる印刷物の需要も増えている。こうした、少しずつ内容の異なるダイレクトメールや各種チケットなどのバリアブル印刷ができるのも、データから直接プリントするオンデマンド印刷ならではの強みだ。製本された資料や本も、オンデマンドなら中身を容易に差し替えることができる。

顧客の9割以上が法人企業だという同社だが、個人の自費出版本を制作する「個人書店」も展開している。趣味で作成する画集や自分史、エッセイなどの制作依頼が多いという。オフセット印刷と見分けがつかないほどの美しい仕上がりで、利用者に喜ばれているようだ。

 

オンデマンド印刷の新しいモデルを作るため、全社をあげての業務改善に取り組む

プリコが江戸川区に移転したのは2016年。業務拡張と、縦割りになりがちだった業務を多能工型にシフトするため、移転後はすべての部署をワンフロアの配置とした。

現在、同社が力を入れているのが、業務改善だ。業務の流れは、営業職が案件を受注、「工務」が印刷の受付窓口となり、制作のための仕様書を作成する。顧客の依頼内容から工程を組み立て、社内特有の言語に“翻訳作業”をして仕様書に落とし込むのが工務の仕事だ。次に印刷データは「編集」に回る。一般的な編集の仕事とは異なり、ここではオンデマンド印刷機に適したデータであるかの検証を中心に行う。編集から回ってきたデータをもとに「プリント」ではオンデマンドプリンターを使ってプリント、「製本」では機械で製本、断裁し、発送作業へと進んでいく。一連の業務がワンフロアで行えるようになったことにより、チームワークがよくなり作業効率も上がった。しかし同社ではさらなる効率化を目指し、全社をあげて改善に取り組んでいる。

 

 

その具体的な例が、改善目標を達成したチームを表彰する制度だ。また部署ごとに朝礼、昼礼を行い、今起こっていることをタイムリーに共有。徹底した業務改善の先にあるのは、ミスを減らすことによる顧客からの信頼獲得。地道なQC活動を続けたことにより、3%だったミスを0.48%に減らすことができたという。そして徹底した効率化の先にプリコが目指しているのは、新たなチャレンジをするための人的、時間的な余裕を得ることだ。同社の今後について、岩本氏は「オンデマンド印刷の新しいモデルを作りたい」と語ってくれた。

 

プリコで働くことが社員の誇り

社員は約40名、几帳面で真面目なメンバーが多いという。小ロットのものを数多くこなすため、早さと集中力、そしてチームで作業を行う協調性が求められる。仕事中は黙々と作業に集中していることも多いが、先輩社員たちは面倒見がよく親切。わからないことは何でも気軽に質問できる環境だ。未経験で入社した社員でも、一年後には自信をつけて顔つきも変わってくるという。モノづくりの現場で、自分の手がけた印刷物がカタチになるのが一番のやりがい。そしてオンデマンド印刷のブランド、プリコで働くことが社員の誇りとなっている。

 

 

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